Signature Life

雑記帳

真っ白なご飯と、色気と、スバルのクルマ

スバルには熱烈なファンが多い。
昔からずっとスポーティーなクルマを作り続けてきた。ここ20年ほどは安全性にも注力しており、おそらく現時点で世界で最も安全性の高い車種を揃えている。


久しぶりにスバル車に乗り込んでみた。
普通に良い。
着座位置がもう少し下に降ろせると良いのだが、それはまあ個人的な好みの範疇。現状のスバル車のシートポジションは全く素直で問題ない姿勢で座れる。奇を衒うようなところは一切なく、あるべきものがあるべきところにあって、その通りに機能するように感じられた。
アームレストの高さやシートベルトの装着感も申し分ない。
後席もきちんと真面目に設計されている。乗り込む際に頭をぶつけないようになっていたり(スバルに出資している愛知の某社、この辺りはスバルを見習ってね)とにかくしっかりきっちり真面目な設計に感心する。

 

おそらくオーナーになれば、日々の生活の中で実に使いやすいクルマであろう。

 

ところが、である。
欲しいか?と訊かれると答えに詰まる。というより、その質問に対して、欲しくなりたい理由を必死にあれこれ探してしまう。

だって悪いクルマじゃないはずなのに、いや、間違いなく良いクルマなのだから、欲しくならないわけがないではないか。
しかし、なぜか全くワクワクしない。

 

それがスバルが抱える重大な問題だと、個人的には感じた。
それはお前の好みの問題、と言われればそのとおり。
だけどおそらく、スバルのクルマには共通して、コアなファン以外の多くの人々をワクワクさせる何かが欠けている気がする。

 

なんというか、色気がないのだ。
「きっと結婚して子供が出来たら、良いお父さんorお母さんになると思う!」みたいな感じのひと。良いひとなんだけど、セックスアピールがないひとみたいな・・・。

 

デザイン、だろうなあ、きっとその問題の根源は。
いちいち真面目で気の利いた設計なんだけど、遊び心とか、ちょっとふざけてみたような悪戯がない。真っ白な美味しいご飯みたいなクルマ。

スバルに勤める人たちって、皆さんきっとすげえ真面目なんだろうなあと思いました。まあ最近スバルは立て続けに不祥事があったけれど、真面目ゆえの不祥事というか、そんな事情が垣間見えた気がした。

f:id:signaturelife:20190929122653j:image