Signature Life

雑記帳

詐欺師への対応について

過去数年間、ぼくは詐欺師たちにずいぶんと人生を狂わされてきた。

彼らは、違法ではないが詐欺的行為を平気で行う人たちだ。

それまで、ぼくは少なくとも過去20年近くに渡り、ずっと人生が順調な上り基調で来ている実感があったし、それを続けるためには自分なりに、ものすごく一生懸命に考えて人生の様々な決断をしてきた自負があった。そうして下してきた自分の判断には自信を持っていた。
ところがそれは、判断の材料となる重要情報を提供してくれる自分の周囲の人たちが、意図的に嘘をつかない、ということが大前提となる。

 

嘘をつかない、というのには二種類の意味がある。
ひとつは、虚偽を伝えないということ。
そしてふたつ目には、重要な情報を意図的に隠匿しない、ということだ。

特にこのふたつ目が肝となる。
人が詐欺に引っかかるのは、虚偽の情報を与えられる場合はもちろんのこと、当然に知っておくべき情報を意図的に伝えられない事による帰結が、実は意外と多いと思う。

 

どういうことか?
例え話として、中古のパソコンを買うケースを挙げたい。
Windows PCをMacだと偽って販売するのは、顧客に虚偽の情報を伝えている点で詐欺である。
一方で、確かにそのパソコンはMacなのだが、実は故障していて電源が入らない、というパソコンを問題なく作動するMacと同じような価格で販売する・・・これが「当然に知っておくべき情報を意図的に伝えない」詐欺的手法である。
これはあくまでごく単純な例であり、この場合であれば、顧客は購入検討の商品が問題なく作動することを購入前に確認すべきである、という見方もできる。
しかし、世を生きる上で求められる判断には、これほどまでに単純ではない事柄も多く、詐欺師はまさにそこを突いてくる。
この場合、詐欺師は少なくとも嘘はついていない・・・ただ、当然に伝えるべき情報を伝えなかっただけであり、それを基に購入の判断を下したのは顧客の責任である、という話になる。

 

そしてこの手の詐欺師は、必ず繰り返し詐欺的行為を働いてくる。
だから貴方の人生は疲弊し、運が尽きてくる。
ちなみに運というのは、実は人から人へ移管可能な場合がある。詐欺的行為は、まさにその移管手段である。

 

詐欺師とは、人生のダークサイドに堕ちた人々。
ダークサイドに手を染める連中は、スターウォーズに出てくるシスの暗黒卿たちがそうであるように、例外なく有能である。稀に見るほどに優秀な連中だと思う。
そういう人たちの戦略を見抜くことは難しく、たとえ貴方がそれに気付いたとしても、そのころは時すでに遅しである。

もちろん、大抵の嘘は、いつかバレる。
現時点を起点とし、詐欺師がもたらす幻想が見せる未来へ向かう上り坂な線と、貴方が直面するであろう現実の線上との間には、三角形が出来る。詐欺師はこの角度の開きを利用して商売をする。このスプレッドを抜くのである。
詐欺師が有能であればあるほど、この角度は大きく、またその三角形を形成する辺は長い。すなわち、より大きな嘘を長い間、信じさせることができる。
その嘘がいつかバレて幻想が幻滅へ墜落したとしても、それまでに形成した三角形の面積が十分に大きければ、詐欺師は大きな収穫を手にする。その嘘に貴方が気づいたところで、その段階ではすでに貴方はダメージを負っていて、それを取り返すことが出来ない。

 

詐欺師は非常に頭が良く、弁が立ち、貴方を言いくるめるだろう。

 

詐欺師の問題のひとつめは、彼らが例外なく非常に優秀であること。
ふたつ目は、繰り返しの詐欺的行為により、貴方の運が吸い取られ、人生が疲弊すること。
みっつ目は、詐欺師には罪悪感が無いか、もしくは非常に薄いことである。

 

有能で罪悪感の薄い連中が、貴方を攻撃してきた場合、貴方に出来る対処は非常に限られてくる。
そこをどのように、出来るだけ早期に見抜き、そして対処するか・・・それが今とこれからのぼくに与えられた、大きく重い課題だと、最近つくづく考えている。

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