Signature Life

雑記帳

世界最高は意外なクルマだった

ぼくは物心ついた頃からクルマが好きだったが、今この歳になってなおクルマに関する新たな発見があることがまた楽しい。


最近、東京でUberをよく乗るようになり、いくつかの車種の後席に繰り返し乗車する機会がある。
その結果判ったこと。

Lexus LSやBMW 7シリーズやメルセデスベンツSクラスのような最上級車は、必ずしも最も快適であるとは限らず、少なくとも価格に見合うほどの快適性におけるアドバンテージは、それらの半額以下で買える高級セダンとの比較において無いということ。

 

ボディが大きいが故のデメリットが出てくるからだ。
ボディ剛性の確保が難しくなることが、まず挙げられる。微振動が増える。これが快適性、高級感、安心感やクルマとの一体感などに悪影響を及ぼす。
また、シートが大き過ぎることによる体とのフィッティングのミスマッチや、アームレストが体から遠過ぎることによって不自然な体勢を強いられることも挙げられる。

 

そんななかで、もしかすると現時点において世界で最も快適な後席を持つセダンなのではないか、と最近ぼくが真剣に感じているのが、トヨタの先代クラウンである。
クラウンと言ってもタクシー専用車のなんちゃってクラウンではなく、ロイヤルサルーン、ハイブリッド、マジェスタである。
特に上級グレードのハイブリッドおよびマジェスタである。これらには後席のリクライニングがある。
さらに言うとシート生地はレザーよりモケット(布地)が良い。モケットには通気性があることに加えて表面が滑らないため、クルマが揺れても着座中の一体感が損なわれない。

 

クラウンかあ・・・マジか。
このことに気づいたことに、自分でも意外だった。

クラウンの後席では、運転がかなり飛ばし気味でも不安感や不快感が無く、むしろクルマとの一体感があるが故に小気味良ささえ感じる。

クラウンで首都高の段差をスタン!と乗り越えた時、前輪と後輪がドタバタ暴れる感覚は一切なく、まるでシート直下にタイヤが付いているかのような感触でスタン!と超えて行く。コーナリング中の段差超えも然り。

アルファードでは、全くこうはいかない。ダシン、ダダン!とタイヤが暴れ、床がブルンと震えてシートが左右に揺すられる。
それからアルファードについて言えば、二列目座席のシートベルトが首に掛かるのが不快である。なぜトヨタがこのような設計上の欠陥を見逃したのだろう?

LEXUS LSやメルセデスSやBMW 7も、程度の差こそあれ、微妙だが明確な差で先代クラウンには及ばない。

クラウンの後席には最近で3代前、2代前、先代、現行と乗ってきたが、一番良いのが先代である。
シート形状、アームレストの位置と形状、足回り、それらが生み出すクルマとの一体感・・・先代クラウンは傑作だ。

実は記憶の中では、クラウンは4代前が歴代最高の乗り心地と車内の高級感を誇っているのだが、もう最近はめっきりそれを見かけることがなくなった。


先代クラウンは、デザインは最悪で、外観と内装ともに、よくもまあこんなかっこ悪いデザインに仕上げて売ったもんだなと呆れる他ないのだが、こと後席の乗り心地については、ぼくが知る限りにおいて世界最高だったりするから、面白い。

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